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かもちゃん、あふっ、あふっ、などしてみれば




 かもちゃんが、電気カーペットの上で、あふっ、としていた。

 あふっ、あふっ。

 べたああ――っつ、と電気カーペットにダルしながら、

 翼も閉じられ、最近、動きにムダがなくなってきたこの鳥の冬対策、

 そういうわけで、かもめハウスには大きなお尻しかない。

 と、――そこへ、いずちゃんうさぎが、ぴょこぴょこ、

 カンガルーのように飛んで来た。イッエーーイ!! ヒューー!!!

 さむかべよさむかべよさむかべよ、と言いながら。

 と、大きなお尻を視認する、いずうさ。

 「(これは――電気カーペット病)」

 おそろしい鳥の病の一つ。

 夏、日射病、熱中症にかかりやすくなるのにも似た恐ろしい病のひとつ。

 「(お、尾羽がゆれた。)」

 すると、にょこっずるりと、身体をひねり、

 多分、くびだけをうごかしたいのだが、

 くびだけをうごかすのはこの鳥にはむずかしいので、

 このようなことになっている、といずちゃんうさぎが、

 無駄に説明しながら、

 かもちゃんのくちばしが見えた。

 電気カーペットを満喫している、とろけそうな鳥の顔がそこにあった。

 「wa!ひろさん、ハワイ行くダロ、あふっ。」と、鳥が言った。

 「ソーデスカ。」

 棒読み選手権がうさぎの国であったら、

 間違いなく初代チャンピオンまちがいなしの棒読みっぷりだった。

 「お茶でも出したいけどいまはすこし動けないダロ、あふっ。」

 「ソーデスカ。」

 いずちゃんうさぎはそれでも、コップに紅茶のもとをいれて、ポットでお湯をいれ、

 冷蔵庫からミルクをだしていれると、電気カーペットにすわった。飲んだ。

 くちのまわりが、すこし、紅茶色になった。

 「・・・hiroyukiさんは?」

 「旅に出られた。」

 はっ、といずちゃんうさぎに緊張が走った。 

 「長い旅になる、と言い残して去って行った。」

 と言っているそばから、hiroyukiがふつうに、おお、寒っ、おおサムッ、

 と、いいながら、おらどけや、占領すんなや、とかもちゃんをおしのけながら、

 どかっと、すわった。ぐだぐだ、だった。

 「旅に?」

 「何の話や。」

 「神社。」とかもちゃんが言った。

 「すぐや。」

 どこらへんが長い旅なのか全然わからなかったが、いずうさは、

 とりあえず、紅茶を飲んだ。

 そのたびに、口のもこもこした毛が紅茶色に染まった。

 「・・・もう年末やな。」

 「さむいな。」

 「おう、さむいな。でも堺市駅でギター弾いてみろ。もっと寒いど。」

 いずちゃんうさぎは、時々ふしぎに思う。

 hiroyukiの喋り方は純粋な関西弁ではない気がする。

 かもちゃんも、時々秋田方面のような訛り方をする。

 「・・・・・・まあ、どうでもいいか。」

 いずちゃんうさぎは、ずう、ずう、と紅茶を飲んだ。

 そのたびに、口のもこもこした毛が紅茶色に染まった。

 かもちゃんは、あふっ、あふっ、していた。

 あふっ、は、ちょっと色っぽい、鳥の声だ。

 
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